更新日:2024年11月7日
スポーツの試合に対して賭けられるスポーツベッティングは、世界各国で合法的に行われておりスポーツ産業の重要な一翼をになっています。
近年は、海外に拠点を置くブックメーカーが、日本のスポーツに対してもベッティングのサービスを展開しはじめてきました。賭けの対象も、日本のプロ野球、Jリーグ、大相撲を含めた日本のプロスポーツにも賭けられています。
一方で、スポーツに賭けると聞くと、本当に公平なのか、仕組まれてないか等、懐疑的な意見を持つ人もいるでしょう。
スポーツベッティングを主催する側であるブックメーカーをはじめ、ベッティングを取り巻くステークホルダーは、過去の良くない事例を改善するために、実はスポーツベッティング、そしてスポーツそのものの安全性を保つために、スポーツインテグリティという取り組みに厳しく取り組んでいます。このスポーツインテグリティの保護活動により不正の数は著しく減少し、現在は安全にスポーツが行われスポーツベッティングも公正に実施されているのです。
当ページでは、スポーツインテグリティの意味、そしてスポーツインテグリティがいかにスポーツベッティングに機能しているかについて、詳しく解説します。
スポーツインテグリティとは
スポーツインテグリティとは、英語を日本語に訳すと「スポーツの高潔さ」という意味です。そもそも、スポーツは人々を幸福にし、社会を良くする力があるとされています。この元来のスポーツの機能を損なわないようにしようという取り組みが、スポーツインテグリティと呼ばれています。スポーツベッティングにおいては、スポーツインテグリティの保護は賭けられる側つまりスポーツ選手側の不正、要するに八百長を防止することに焦点を当てられることが多いです。
スポーツインテグリティの保護と強化のために、世界規模で各機関が対策を進め、飛躍的に改善されています。
スポーツ、およびスポーツベッティングの各種リスク
スポーツ選手を取り巻く各種リスクは様々です。スポーツインテグリティは、スポーツベッティングだけでなく選手のアイデンティティや心身の健康に関わるポイントまで、保護の対象としています。
オックスフォードの調査機関(Oxford Research A/S,2010)が定義したスポーツに対する脅威を以下に記載します。スポーツインテグリティは下記脅威からスポーツ選手を保護しています。
- 暴力、ハラスメント
- 人種差別
- 賄賂
- 自治自律に対する外部圧力
- ドーピング
- 反社会的行為
- 八百長、不正操作
- ガバナンス、コンプライアンスの欠如
暴力、ハラスメント、人種差別等、個人に対する一方的な攻撃行為は、選手を取り巻く人々が気を付けることに尽きます。しかし、賄賂や八百長に関しては選手ぐるみのためより一層注意が必要です。日本では、2012年の金沢競馬の八百長が有名です。圧倒的に人気だった一番の位置に付いていた騎手が不自然に落馬し、八百長が疑われました。競馬はスポーツベッティングでも人気競技なので、スポーツインテグリティが現在どのように保護されているかが非常に気になりますよね。
スポーツインテグリティがどう保護されているか?
では、スポーツインテグリティがどのように保護および強化されているかをみていきましょう。
現在、スポーツインテグリティに対して、国際オリンピック委員会、国際競技連盟、世界アンチドーピング機構などの、世界規模のスポーツ統括組織などが対策を進めています。イギリスやオーストラリアはスポーツインテグリティの保護活動に非常に積極的で、世界的なお手本としてスポーツインテグリティの各種ガバナンスが研究されています。
世界でも当産業の権威として名高い、英国のギャンブリング・コミッションもスポーツインテグリティの保護に向けて、国家や政府レベルで各種実行プランを戦略的に実施することを約束しています。
日本では、日本スポーツ振興センター(JSC:Japan Sport Council)が「Integrity of Sports」の保護と強化のために、特別組織「スポーツインテグリティ・ユニット」を発足しスポーツインテグリティを徹底して保護しています。
「スポーツインテグリティ・ユニット」は、アンチドーピングのために調査と研究を行ったり、八百長や賄賂防止のためにくじ調査を徹底しています。
2010年にJリーグは世界の賭博市場を監視するスイスのEarly Warning System社(EWS)と契約し、試合のモニタリングを徹底し異常がないか管理しています。
また、2013年には、日本サッカー協会(JFA:Japan Football Association)がアジアサッカー連盟(AFC:Asian Football Confederation)メンバーとして、FIFAとインターポール(国際刑事警察機構)とともに、インテグリティ保護活動を実施しました。
これ以降、サッカー界の人々、および警察、スポーツ庁、日本スポーツ振興センター、日本オリンピック委員会、JFA、Jリーグ、JFL、Jリーグクラブ、審判、指導者等、その他ステークホルダー間で構成されたインテグリティプロジェクトが設立されました。この組織の設立により、選手への研修やワークショップなどで、不正行為を持ちかけてくるフィクサーの手口などの説明を含め、厳格な教育活動が実施されています。
そして、日本のスポーツ庁(JSA:Japan Sports Agency)の長官も、ラグビーワールドカップそしてオリンピックの開催にあたり、以下の施策によりスポーツインテグリティを保護する旨を述べています。
- ”アスリートや指導者に対する教育・研修の強化アスリートや指導者に対する教育・研修の強化”
- ”アスリートの相談体制の充実,利活用の促進”
- ”問題事案に係る公正・迅速な調査と説明責任の履行”
- ”運動部活動の安全確保に向けた大学の取組の充実”
スポーツインテグリティの保護によるスポーツベッティングへの効果
上記スポーツインテグリティの保護活動により、近年はスポーツベッティングはより洗練されたギャンブルと認知されています。
さらに、最近のスポーツインテグリティの改善にと伴い、今後のスポーツベッティングも同時に有望視されています。例えば、ラスベガスのカジノが有名なアメリカ合衆国は、実は多くの州ではまだスポーツベッティングは合法ではありませんでしたが、スポーツベッティングの近年の動向と経済効果が見込まれ2023年末までに、18州で合法化が予定されています。これにあわせMLB(メジャーリーグベースボール)も、スポーツインテグリティの保護のため、不正監視システムの導入を検討しているそうです。
戦略・IT・データ解析・会計に強みを持つコンサルティングファームであるデロイト社によると、スポーツベッティングを主催するブックメーカー各社も、不正を検知するために、スポーツベッティングで集まるビッグデータを先端のデータ解析技術で分析していると調査結果を報告しています。さらに同社は、今後スポーツ業界とブックメーカーの両方向からのデータ分析で、より精度の高いインテグリティが実現可能と見解を示しています。
スポーツベッティングにおけるスポーツインテグリティのまとめ
スポーツベッティング産業の成長とともにスポーツインテグリティを取り巻く各種リスクは劇的に減少してきました。特にスポーツ先進国におけるスポーツインテグリティは、データ解析の先端技術や各種教育活動により洗練されたレベルに到達しています。
つまり、スポーツベッティングの安全性は、スポーツインテグリティの保護と強化活動により支えられていると言えるでしょう。これからもスポーツインテグリティはさらに強化されていく見通しです。今後も安全にスポーツベッティングを楽しむことができそうですね。
よくある質問
→スポーツベッティングは様々な機関によって、安全に行われるように監視されています。当サイトで紹介しているスポーツベッティングを主催元のブックメーカーは、スポーツベッティングを運営するためのライセンスを取得済みです。取得には政府や第三者機関による審査があるため、安全性が保たれています。そして、運営が正しく行われているかどうかも、監査されています。さらに記事で説明している通り、八百長などが行われないよう、各種関連機関によってスポーツインテグリティの保護が積極的に行われています。
ブックメーカーはスポーツチームのスポンサーになっていることがあるようです。ブックメーカーが試合結果を操作することはありますか?
→ブックメーカーは不正行為がないように第三者機関により監査を受けています。また、ブックメーカーにとっても八百長は、スポーツベッティングビジネスを脅かすリスクです。よって、ブックメーカー自身もビッグデータ技術を活用し、不正の検知を徹底しています。さらに、各種スポーツ協会もスポーツインテグリティの保護のため、不正の防止と検知を徹底しています。
「八百長」という言葉が生まれるきっかけとなったものはどれ?
→八百長という言葉は、明治時代の八百屋の店主「長兵衛(ちょうべえ)」に由来するといわれています。店主の通称:八百長さんが囲碁仲間と勝負しているときに、わざと負けて八百屋の商品を買ってもらったりしていたことに起源があるようです。そして、この表現がスポーツ界で使われるようになりました。
スポーツインテグリティに関わるリスクを教えてください。
→オックスフォードの研究機関によると、スポーツインテグリティに関わるリスクは以下の通りに分類されます。
– 暴力、ハラスメント
– 人種差別
– 賄賂
– 自治自律に対する外部圧力
– ドーピング
– 反社会的行為
– 八百長、不正操作
– ガバナンス、コンプライアンスの欠如
ドーピングはスポーツインテグリティに反しますか?
→はい。スポーツに違反薬物を利用することは禁じられています。そして、もちろんスポーツインテグリティに反します。
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小山道也
カジマル編集長担当、オンカジ業界専門家
オンカジ業界経験10年超。コンサルタントとして就業した後に、欧州でビジネス修士号を取得。そして、海外マーケテシング企業にて、オンラインカジノのメディア立ち上げに携わり、今に至る。 論理思考や分析思考をもとに、入金不要ボーナスをさまざまな観点で解析し、読者に分かりやすく解説するのが得意。独自のレーダーチャートは、その他メディアでも参考にされ業界の標準化にも貢献した。当メディアの運営以外では、オンカジサイト立ち上げ時の外部アドバイザーとしても活動している。
西尾昇
コンテンツ制作担当
ディーラーとしてゲーミング業界に携わる。その後、表舞台からは身を引き、コンテンツ制作に回り、ルーレットやバカラのゲーム解説や攻略記事をはじめ、オンカジ比較評価記事やボーナスの解説コンテンツの制作に従事。業界での人脈が広く、各社のキーパーソンと繋がっているので裏情報にも精通。カジマル.comでは、業界の隅々を分かりやすく解説し定評を得る。エディトリアルメンバーの中ではエキスパートとして立ち回っている。