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イギリスとは
ギャンブルライセンスについて解説をする前に、まずはイギリスがどのような国なのかを確認していきましょう。
イギリスは、イングランド、ウェールズ、スコットランドを含むグレートブリテン島全体と、アイルランド島の北部で構成されている国のことを指します。そしてイギリスの首都であるロンドンは、世界有数の商業、金融、文化の中心地の1つです。
イギリスの経済は非常に発達しており、名目国内総生産(GDP)は世界で5番目に大きいとされています。そして、世界の大手企業の500社社の内、26社がイギリスに本社を置いているといわれています。
イギリスの通貨は英ポンドであり、米ドル、ユーロ、日本円に次ぐ世界第4位の準備通貨となっています。そして、イギリスでは、元労働党首相のトニーブレア政権が2005年のギャンブル法を導入して以来、ギャンブルが自由に楽しまれるようになりました。現在では、ギャンブルはイギリスにおいて巨大なマーケットとなっています。そして、イギリス全土に賭け屋が存在しており、サッカーを中心としたギャンブル文化が根付いています。
イギリスには、William Hill、Ladbrokes、Coralなどの大手ギャンブル企業が存在しており、全国に9000以上の賭け屋が存在しているといわれています。このようにギャンブル文化が根付いていることから、イギリス市場は統計的にヨーロッパで最大のギャンブル市場と言われています。イギリスのギャンブル業界の市場規模は2018年に161億ユーロに達しています。そのうち、オンラインゲームの市場規模は53億ユーロに達したと報告されています。
イギリスのオンラインカジノライセンスについて
イギリス政府は、ギャンブル業界のカジノオペレーター、ソフトウェア、およびサービスプロバイダーに、カジノ、宝くじ、およびその他のゲーム関連の活動に関連するビジネスを行うことを許可するギャンブルライセンスを提供しています。 そのため、スポーツ賭博、カジノサイト、ポーカー、ビンゴなど、さまざまなギャンブルサイトがイギリス外で運営されています。
イギリスギャンブル委員会は、世界中のオンラインカジノから人気を集めるライセンスとなっており、888 Sport、Betfair、William Hill、Ladbrokesなどのオペレーターを含む1000社を超える企業にリモートゲームのライセンスを供与しています。
さらに、NextGenやOpenBetなどの業界のプロフェッショナルを含む、200を超えるゲームデベロッパーもイギリスのライセンスを取得しています。
イギリスは、EUの中でも特に厳しい管轄区域のひとつとされており、プレイヤーの保護と社会的責任に重点を置き、明確な技術基準と実装ガイドラインを設定しています。実際にイギリスはこれまで独自のオンラインギャンブルライセンスモデルを作成し、規制基準を定義することで、ギャンブル業界をリードしてきました。
2005年のギャンブル法の下では、3つのライセンスの目的が設定されました。それらは、ギャンブルによる犯罪を起こさないこと、ギャンブルが公正かつ公開された状態であること、子供や精神的なダメージを受けやすい人を保護すること、です。
そしてイギリスのインフラストラクチャは、大容量のプライベートラック、プライベートクラウドサービス、カスタム専用サーバー、その他のホスティングオプションなど、オンラインゲームのオペレーターやプロバイダーに幅広いサービスを提供しています。
このようにサービスを充実させていることから、イギリスは、オンラインギャンブル事業者が拠点を置く国として人気を集めているのです。また、これらの他にも政治的安定、一流の電気通信設備、確立された金融サービスなどイギリスがギャンブル市場として成功した理由として挙げられるでしょう。
イギリスのオンラインカジノギャンブル規制
イギリスギャンブル委員会は、イギリス政府の政府外公共機関であり、イギリスのゲーム法の監督を担当しています。 イギリスのギャンブル委員会は、特にオンラインゲームに焦点を当てて、イギリスのギャンブル業界を規制する
ために2005年のギャンブル法に基づいて設立されました。
ギャンブル事業者は、ギャンブル施設ライセンスを議会に申請する前に、イギリスギャンブル委員会から営業ライセンスとそれに関連する個人ライセンスを取得する必要があります。イギリスギャンブル委員会は、2014年にリモートゲーム業界における権力を大幅に拡大しました。これにより、イギリスでオンラインゲームを運営するすべての企業は、イギリスでライセンスを取得する必要がある、というように内容が変更されたのです。
イギリスギャンブル委員会は、公平性が保たれていることを確認するため、ギャンブル企業のソフトウェアとポリシーもレビューしています。オンラインギャンブルの運営者は、ギャンブル委員会が定めた規則に従うことが求められています。もしも従っていない場合は、ライセンスが取り消され、調査や起訴に発展する場合があります。さらに、大手のオンラインゲーム事業者になると、役員の個人管理ライセンスの取得が必須となります。
つまり、ギャンブル企業において財務予算、戦略、法規制の順守、ITの提供とセキュリティなど、重要なビジネス分野を担当する人は、法的に運用上の決定を行う前に、個人管理ライセンスを取得して、承認を得る必要があるのです。
イギリスがギャンブル委員会はマネーロンダリング、異常取引、テロ対策資金調達に対しても厳しく規制をしており、本人確認も厳しく行うことを義務付けています。
イギリスギャンブル委員会は、イギリス政府の基準および規制に従って運営されていることを保証するために、ゲーム事業およびサービスを監視しています。そして、ライセンスの条件が満たされていることを確認するために、コンプライアンス監査が定期的に実施されます。
その他、ライセンスを取得している事業者は、プレイヤーの入金・ベットの監査証跡を維持する必要があります。また、バックエンドソフトウェアログを含むゲームシステムは、第三者機関の監査人に対して公開されていなければいけません。さらに、ゲームのルール、ゲームの結果、および支払いは、イギリスギャンブル委員会が5年間利用できるようにする必要があります。
この他にも、オンラインゲームに参加できるのは、18歳以上のイギリスの非居住者のみ、など多くの規制があり、イギリスの居住者または18歳未満の個人からによるベットは、オペレーターによって禁止されなければなりません。
ライセンスを取得しているビジネス、サービスはこれらすべての条件を満たすことが決められています。
イギリスでのオンラインカジノビジネスの始め方
イギリスのオンラインギャンブルビジネスを始めるための最も重要な手順の1つは、会社登録とライセンスの取得について考えるということです。 そしてイギリスでは、ゲーム会社は15%のゲーム税を支払う必要があるということも忘れてはいけません。
イギリスギャンブルライセンスはeゲーミングサービスプロバイダー、ネットワークオペレーター、アフィリエイト、ホワイトレーベルオペレーター、eゲーミングソフトウェアサプライヤーなど、幅広くカバーしています。
そして、カジノ、eスポーツ、ポーカー、スポーツくじ、ロト、ビンゴ、競馬、ビットコインカジノ、ファンタジースポーツ、ゲームオブスキル、その他のゲーム関連の活動を含む、あらゆる形態のオンラインギャンブルを対象としています。
さらに、イギリスギャンブル委員会によるライセンスは世界で広く認知されているため、これを取得することで世界中で顧客を得ることが期待できます。
イギリスにてギャンブルライセンスを取得できるかどうかは、イギリスギャンブル委員会の裁量に委ねられています、
ライセンスを取得するには、基準を満たしていることに加えて、財政的にも安定していることを証明する必要があります。そして、それら証明し、認められた企業のみがライセンスを取得することができます。
もしライセンスの取得が拒否された場合、イギリスギャンブル委員会は改善が必要な点のチェックリストを提供します。
イギリスのオンラインカジノライセンスの取得方法
以下ではライセンスを取得するまでの具体的な手順を見ていきましょう。
イギリスでオンラインギャンブルライセンスを申請するには、まずはイギリスにて会社を設立しなければいけません。そして、イギリスギャンブル委員会が制定する厳しいガイドラインに従う必要があります。
さらに、ギャンブルに関するすべてのデータを管轄区域に送信するトランジットサーバー用の機器を入手することに加え、クライアントデータベースを備えたイギリスベースのハードウェアを獲得しなければいけません。これらの条件がすべて満たされた後に、ライセンスの取得の申請が可能となります。
次に、各申請者は厳しい審査を受け、イギリスギャンブル委員会が提示する基準を満たしているかを判断されます。そして、その基準を満たしている企業のみがライセンスを取得することができるのです。
オンラインゲーム会社の登録とライセンスの取得にかかる時間はおよそ5〜8か月であり、すべての手続きが完了すると無事にイギリスのギャンブルライセンスを受け取ることができます。
イギリスのオンラインカジノライセンスの取得にかかる費用
イギリスギャンブル委員会のライセンスを取得するには、代行業者などを利用するのが簡単です。このような業者を使用する場合、会社の設立社の人数などによって費用が異なります。さらに、ライセンス取得の費用に加え、ライセンス料などを支払う必要があります。そのため、イギリスにて会社を設立してライセンスを取得するためには、ある程度まとまった金額を用意する必要があります。
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小山道也
カジマル編集長担当、オンカジ業界専門家
オンカジ業界経験10年超。コンサルタントとして就業した後に、欧州でビジネス修士号を取得。そして、海外マーケテシング企業にて、オンラインカジノのメディア立ち上げに携わり、今に至る。 論理思考や分析思考をもとに、入金不要ボーナスをさまざまな観点で解析し、読者に分かりやすく解説するのが得意。独自のレーダーチャートは、その他メディアでも参考にされ業界の標準化にも貢献した。当メディアの運営以外では、オンカジサイト立ち上げ時の外部アドバイザーとしても活動している。
斉藤亜季
コンテンツ制作担当
オンカジ運営側でカスタマーサポート、キャンペーン企画、マーケティング、そしてトラブル対応など多岐に渡る役割を経験。その後、幅広い経験が認められ、カジマル.comのエディトリアルチームに参画。 過去には、ホスピタリティマネジメントの学士号を取得し、実務経験も積んでいるため、顧客管理に対する知識が深い。そのため、利用者目線での分析を得意とする。オンカジ業界はまだサービス面での改善が必要であると考え、率直な批評もいとわない。