更新日:2024年11月7日
台湾のカジノとは?
台湾のカジノとは、台湾沖合いの島を使ったカジノ設立計画のことで、2024年3月現時点で、台湾にはカジノや統合型リゾート施設は存在していません。
台湾でのカジノ合法化に関する議論は長年にわたって続いていますが、2009年1月には「離島建設条例」の修正案が多数の賛成を得て可決され、台湾でのカジノの合法化が事実上認められました。
この条例は、あくまでも離島に限ってカジノ施設の設立を許可しており、台湾本島への言及はありません。
条例可決後、政府は具体的なカジノ設立条件について協議し、「カジノ施設は最大2ヶ所まで」「カジノ併設ホテルは客室数1,000室以上」「離島の住民投票で過半数の賛成が必要」といった条件を定めました。
日本からは、東京から直行便で約4時間という気軽さ、充実した現地公共交通機関、そして何よりも親日国であり、治安も良い台湾のカジノでギャンブルを楽しめたら、カジノ好きの日本人にとって最高の環境です。
アジアにおけるカジノ産業は、現在マカオのカジノやシンガポールのカジノを中心に、東南アジア(フィリピンのカジノ、マレーシアのカジノ、カンボジアのカジノ、ベトナムのカジノ)でも、盛り上がりを見せています。
日本でのカジノ計画が進む中、台湾にもカジノが誕生する可能性は大いにありそうですね。
では台湾のカジノ設立はどんな状況なのでしょうか?もう少し詳しく台湾カジノのオープン最新情報や、IRとの関係性について見ていきましょう。
台湾カジノオープンの新着情報
台湾のカジノに関する現状は、残念ながら離島建設条例の可決にも関わらず、具体的な計画の進行が見られず、オープン予定も未定のままです。
2016年までの国民党の馬英九総統の下では、多くの台湾市民がカジノの誕生を期待していました。
その背景には、カジノは台湾の経済成長や、インバウンド観光の増加に大きな起爆剤となる可能性があると見られていたからです。
しかし、2016年の総選挙で民進党の蔡英文氏が総統に選出され、立法院でも過半数を獲得したことが、台湾におけるカジノオープンの展望に変化をもたらしました。
結果、民進党は、澎湖島、金門島、馬祖島などの離島を統治し、台湾におけるカジノ設立に反対の立場を取り続けています。
民進党は、半導体やハイテク産業への集中といった経済成長戦略を優先し、台湾の活性化にカジノは必要ないという姿勢を持っています。
さらに、2017年に台湾離島で行われた住民投票ではカジノ設立反対派が圧勝。当初の離島建設条例の具体案通り、住民投票で過半数を獲得しなければカジノ設立は認められません。
結論として、法的にはカジノ設立が可能であるにもかかわらず、台湾でのカジノオープンは依然として未定の状況にあります。
台湾カジノとカジノリゾートの関係性
台湾が観光立国を目指し、世界中から観光客を引き寄せる潜在能力を持っている中で、カジノリゾートを含むIR構想は、多くの企業から大きな関心を集めています。
特に、2019年のIR開業を目標に掲げていた当初、クレアモント・パートナーズやワイドナー・リゾーツ、さらにはタイのカジノ解禁の可能性に関わるラスベガス・サンズなど、国際的な企業が台湾のカジノ事業に対して興味を示していたと伝えられています。
台湾の離島でのIR開発は、中国との政治的摩擦を最小限に抑えつつ、中国本土からの観光客を引きつけることができるため、経済的および政策的な観点から将来性があると考えられています。
中でもクレアモント・パートナーズは、台湾の離島において東京ドーム2個分以上に相当する109,265平方メートルの土地を既に保有しており、IR建設の許可が下り次第、プロジェクトを開始する準備が整っているとされています。
このように、台湾のカジノリゾートの誕生は、多くの企業にとって大きなビジネスチャンスを意味しているのです。
台湾におけるギャンブルの現状
台湾では、ギャンブルに対する法規制が非常に厳しく、政府が公認する一部の宝くじを除き、ほぼ全ての形態のギャンブルが禁止されています。
このような厳格な取り締まりは、賭博罪として扱われ、台湾におけるカジノの設立を含むギャンブル産業の発展に大きな障害です。
ただし例外もあり、ゲームセンターとして営業し、ゲームで勝ったら賞品と交換可能なギャンブルは合法です。
このような形式は、台湾の厳しいギャンブル規制の中で許容される数少ない娯楽の一つとして、台湾国民に人気です。
これはパチンコとビンゴが合法ギャンブルとされる、グアムのカジノ形態と同様です。
以下に、台湾における合法ギャンブルの種類を紹介するとともに、台湾の違法カジノと違法ギャンブルの危険性について解説します
台湾の合法ギャンブルの種類
台湾で合法的に楽しめるギャンブルは限られており、主に政府公認の宝くじとスポーツくじに限定されています。
以下に、台湾の合法ギャンブルの種類を説明します。
- 宝くじ
- スポーツくじ
- パチンコ、パチスロ
- ポーカー
台湾の合法ギャンブルの中で1番メジャーなので、宝くじです。台湾の宝くじは2種類あり、一つはビンゴくじで、これは日本の宝くじ売り場のように購入することができます。
もう一つは、購入時に受け取るレシートを利用した宝くじで、これは台湾で非常に一般的です。商品を購入するときにもらえるレシートには8桁の数字が印字されており、2ヶ月ごとに行われる抽選で当選番号が発表されます。
レシートの数字が全て一致すれば、最高で約4,000万円の賞金がもらえるので、なかなかの高額当選ですね。また下3~7桁の数字が一致で約770円~約150,000円がもらえるため、観光やビジネスなどで台湾に出向いた時には、レシートを捨てないよう注意しましょう。
スポーツくじに関しては、宝くじ売り場で購入することができ、国内のプロ野球や国際的なスポーツイベント、ワールドカップなどに賭けることが可能です。
パチンコ・パチスロに関しては、台湾の首都の台北でのホール運営は違法ですが、地方では「電子遊戯場業管理条例」に基づき、ゲームセンターとして合法的に運営されています。ここでは、金銭と直接交換することは認められておらず、景品との交換のみが可能です。
ポーカーに関しては、台湾にはポーカー大会を開催するポーカールームも存在しますが、キャッシュゲームは違法です。賞金を提供するポーカートーナメントは多くの場所で開催されていますが、これは法的なグレーゾーンにあるので注意しましょう。
台湾の違法カジノと違法ギャンブルの危険性
ギャンブルに対して非常に厳しい台湾ですが、少なからず違法カジノと、違法ギャンブルは存在します。
このような当局の摘発リスク覚悟で賭博施設を営業するのは、台湾のカジノみならず、世界中の違法カジノで共通して見られる現象です。
台湾を代表する違法ギャンブルと言えば、日本の国民的ギャンブルのパチンコ・パチスロです。先述した通り、景品交換は合法ですが、現金との交換は完全違法で、数多くのホールが摘発されています。
表向きには景品交換のみと謳っていますが、出玉が印字されたレシートと引き換えに現金と引き換え可能な違法ホールがたくさんあります。
むしろほとんどのホールで現金交換が可能で、ゲーム台に座る一般客を装ったスタッフに声を掛けたり、トイレ内でこっそりと取引するなど、様々な方法でレシートと現金を交換できます。
一部日本人の出入りを禁止する違法カジノや違法パチンコホールも多いですが、パスポートを提示し観光客だと証明できれば、入場を認めてもらえる場合もあります。
ただし観光客であっても、もちろん台湾の賭博法は適用されるため、違法ギャンブルに手を出した時点で逮捕されるリスクがあります。逮捕後は勾留され、最終的には裁判で罰金刑が科せられます。
台湾の地元住民に安全だと案内されても、絶対に台湾の違法カジノや違法ギャンブルに手を出してはいけません。
台湾のカジノ、ギャンブル合法化の展望
台湾では、離島建設条例の可決によりカジノ設立とギャンブルの合法化が道を開いたものの、住民投票で反対票が多数を占めたため、現状では実質的には違法状態にあります。
しかし、アジア各国では、韓国のカジノを例にも、カジノ産業が経済成長や観光客の増加に寄与している実例が見られます。
日本でもカジノ法案が成立し、具体的な整備計画が進行中であり、カジノ有力候補地である大阪IRの建設と整備が、急速に進められています。
このアジア地域のトレンドは、台湾におけるカジノ合法化への追い風となる可能性が高いと見られています。
ただし、将来的なギャンブルの解禁議論では、現段階でカジノの合法化のみが検討されており、その他の形態のギャンブルについての合法化は議題に上がっていません。
台湾にカジノホテルはある?計画場所は?
2024年3月現在、台湾にカジノホテルはありません。もしカジノホテルがあった場合、例外なくその全ては違法営業であり、摘発対象です。
しかし将来的には、台湾に合法のカジノホテルが建設される可能性は十分にあり、台湾経済を大きく成長させるきっかけになるかもしれません。
あくまでも計画段階ですが、台湾本島から離れた金門島と馬祖島が、カジノホテル建設の最有力候補として議論が続いている状況です。
以下に、台湾のカジノホテル計画について解説します。
台北のカジノホテル計画
台湾の首都台北には、世界中からたくさんの観光客が訪れてきますが、台湾政府のカジノ法案において台北でのカジノホテル建設計画は含まれていません。
パチンコ・パチスロを禁止するほど厳しい規制のある台北なので、カジノを含むあらゆるギャンブルが台北で解禁となる可能性は、今のところ低いでしょう。
馬祖島、金面島のカジノホテル計画
台湾政府が計画するカジノホテル建設計画では、離島の馬祖島か金面島が最有力候補地です。
馬祖島は台湾本島の北西約211キロの場所に位置し、中国本土から近いものの、台湾が実行統治する島です。
金面島もまた中国本土から10キロほどしか離れておらず、台湾とは200キロほどの距離があります。
どちらの島も観光地として人気があるため、カジノホテル建設計画場所として最適です。
台湾のスポーツベッティング市場成長の可能性
台湾で合法的に楽しめる数少ないギャンブルの一つ、スポーツくじは、他国で開催されるスポーツイベントにも賭けることができるため、実質的には世界的に人気のあるスポーツベッティングと同様です。
プロ野球、バスケットボール、サッカー、アメリカンフットボール、ゴルフ、テニス、F1レースといった世界的に人気のあるスポーツや、最近急成長を遂げているeスポーツに至るまで、賭けられるスポーツの種類は多岐にわたり、賭け方も多様です。
台湾のスポーツベッティング市場は、2018年から2020年までの間、年間約1,600億円の売り上げを維持してきましたが、2022年には約2,700億円へと大きく成長しました。この市場は、今後も数年内にさらに大幅な増加が見込まれています。
2022年12月には、スポーツくじの運営において世界10カ国以上で政府公認の実績を持つ、スイスに本社を置くSportradarが台湾でのスポーツくじ運営ライセンスを獲得しました。
Sportradarは、既にライセンスを保有しているADATA Technolog、台湾運動彩券公司(TSLC)、そして中国信託商業銀行(CTBC)と協力して、台湾でのスポーツくじサービスを提供する予定です。
2024年から2033年のライセンス契約期間を通じて、台湾国内に2,600以上のスポーツくじ販売店を展開し、将来的にはオンラインでの販売も計画しています。
この取り組みは、台湾のスポーツベッティング市場のさらなる発展を促すと、期待されています。
台湾カジノの年齢制限
台湾で2020年に行われた法改正により、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。
この変更に伴い台湾では、宝くじやスポーツくじを購入することができる年齢も、18歳以上に設定されています。
もし台湾にカジノが開設された場合、入場可能な年齢制限については現時点では明確に決まっていませんが、世界の多くのカジノで適用されている18歳から21歳以上の年齢制限が一般的です。
他のアジアの諸国では、カジノの入場年齢が21歳からと設定されていることが多いため、台湾におけるカジノの年齢制限も、この傾向に沿って21歳以上になる可能性が高いと考えられます。
また、外国人が台湾のカジノへ入場する際には、年齢確認としてパスポートの提示を求められるでしょう。
台湾カジノが誕生した際には、ギャンブルの年齢制限の確認のためにも、パスポートを必ず持参しましょう。
まとめ
今回は台湾のカジノのギャンブル事情について詳しく解説し、今後のカジノホテル誕生の可能性や、見込まれるスポーツベッティング市場の成長などについても紹介しました。
台湾は、ハワイのカジノ禁止制度と同様に、ギャンブルに関しての取り締まりが非常に厳しい国でもありますが、カジノ解禁に向けての可能性はゼロではありません。
台湾でカジノが解禁されればアジア全体のカジノ産業がより活発化し、世界中からアジアが注目を集めるでしょう。
また、台湾は日本からも訪れる人が多い人気の海外旅行先の一つのため、カジノがオープンすれば、旅行の楽しみが増えそうです。
これから解禁が期待される台湾カジノのオープンの動向に、これからも注目していきましょう!