更新日:2024-10-08
セガサミーとは?
セガサミーとは、家庭用ゲームソフト、エンターテインメント事業向けのゲームソフト手がける日本を代表する大手エンターテイメント企業の一つです。
セガとサミーの統合により設立されたセガサミーは、国内外において、ビデオゲーム、パチンコ、アーケードゲーム機、そして統合型リゾート(IR)施設向けのカジノ機器など、多岐にわたるエンターテインメント業界での実績を誇ります。
「SEGA」のビデオゲームは、業界関係者でなくても一度は目にしたり、耳にしたりしたことがある方も多いのではないでしょうか。そんなエンタメ界において影響力の強いセガサミーが、最近米国のゲーム会社を買収し、オンラインカジノ事業への本格的な参入を果たしたことは、業界内で大きな注目を集めています。
コナミのゲーミング事業とは、競合関係にあり、日本のゲーミング業界の主要企業として肩を並べています。
ゲーム業界のパイオニアであるセガサミーが、今後どのようなビジネス戦略を展開し、海外市場へ進出し、成功を収めていくのでしょうか。
本記事では、日本の有名エンタメ企業セガサミーのカジノ事業への参画内容や、今後の展望を含め、詳しくご紹介していきます。
企業情報
東京都品川区に本社を構えるセガサミー(英語で SEGA SAMMY)は、「創造は生命」と「積極進取」の精神で、エンターテインメントを通じて、もっと笑顔溢れる社会への貢献を、企業理念として掲げています。
インターネット上では「セガサミーはなんの会社?」という疑問も見られますが、沿革としては、セガとサミーの経営統合により、2004年に設立されました。
企業情報として、同年にはセガサミーグループの持株会社のセガサミーホールディングスも設立し、主に経営管理と、コーポレートサービスを提供しています。
また、米ラスベガスに「SEGA SAMMY CREATION USA INC.」を子会社として抱え、海外のカジノ施設へカジノ機器の提供を行っていることでも知られます。
その他、セガサミーはスポーツにも力を入れ、自社でeスポーツチームも抱えます。自社の野球場で社会人野球チームを運営し、プロ野球選手を輩出するなど、野球での功績は目を見張るものがあります。
事業内容
セガサミーのカジノ事業の内容は、エンターテインメントの世界において、広範囲に及びます。
軸となるエンターテインメント事業には、ビデオゲームコンテンツからおもちゃ、映像に至るまでの幅広い「コンテンツ事業」、パチンコやパチスロ機の開発と販売を含む「遊技機事業」、そしてホテル開発や、ゴルフ場運営を手掛ける「リゾート事業」を含みます。
遊戯機事業においては、パチンコ台の機種開発など、日本国内のアミューズメント市場で重要な役割を果たしています。最近では、バイオハザードシリーズのフルCG映画をテーマにした人気のスマスロ「バイオハザード:ヴェンデッタ」などのヒット作が有名です。
さらにはリゾート事業の一環で、海外のIR施設の運営に携わるなど、国際市場へも積極的に進出していることが伺えます。
これらの事業内容は、それぞれが独自の地位を築きながら生まれる良い相乗効果によって、発展拡大を遂げています。
セガサミーがiGaming市場へ進出
2023年11月、セガサミーは戦略的な一手として、約1億760万ドルで米国のゲーム会社GAN Limited(以下、GAN)を買収しました。
この動きは、セガサミーが北米のiGaming市場へ本格的に進出するためのもので、オンラインカジノ市場の急速な成長と拡大に対応する狙いがあります。
iGamingはオンラインギャンブルの総称で、アメリカ各州での合法化が進み、市場は急速に成長しています。セガサミーは、この拡大する市場においてGANのカジノプラットフォームを活用し、iGaming業界での強固な地位を築くことを目指しています。
この買収は、セガサミーが自社の強力なブランド力と先進的な技術力を組み合わせ、iGaming市場での競争力を一層高めるための重要なステップです。
さらに、セガサミーはこの動きを通じて、世界的なエンターテイメント市場での新たな成功を追求していく方針です。iGaming市場への進出は、セガサミーにとって新たなビジネス領域の開拓を意味し、既存事業との相乗効果を生み出すことが期待されています。
セガサミーのオンラインカジノ市場への進出は、業界に新たな風を吹き込む可能性を秘めており、その進展には大きな注目が集まっています。今後、セガサミーがどのようなビジネス戦略を展開し、国際市場でどのように成功を収めていくのか、その展開から目が離せません。
セガサミー、ステークロジックの買収とシーガイア売却で競争力強化へ
画像出典:Stakelogic 公式X
“https://stakelogic.com/en/stakelogic-announces-definitive-agreement-to-be-acquired-by-japanese-entertainment-conglomerate-sega-sammy/”
2024年7月、セガサミーはオランダのiGamingプラットフォーム「Stakelogic(ステークロジック)」を1億3000万ユーロで買収すると発表しました。
この買収は、米国でのiGaming市場での存在感を強化するための一環です。
セガサミーは、ステークロジックのスロット技術をGANプラットフォームに統合し、B2Bプラットフォームの競争力を向上させる計画です。
ステークロジックは、米国のロードアイランド州、ミシガン州、ペンシルベニア州でライセンスを取得しており、この買収によりセガサミーは北米市場でのiGaming事業のさらなる拡大を目指しています。
一方、セガサミーは宮崎県宮崎市のリゾート施設「シーガイア」を売却する計画も発表しました。売却で得られる資金は、新たなIR事業への投資に充てる予定で、高収益な分野へのシフトを図ります。
これらの動きは、セガサミーが2024年の重要な優先事項として掲げるiGaming事業の発展を支えるものであり、欧州市場でのシェア拡大やオンラインゲーミング事業の競争力強化を意図しています。
買収は2026年第1四半期に完了し、その時点でセガサミーはステークロジックの株式を100%所有する予定です。
これにより、セガサミーはiGaming業界内での競争力をますます強化し、さらなる成長を遂げることでしょう。
セガサミーとIRの関係
セガサミーとIRの関係は、リゾート事業における重要な要素です。
IRはカジノやその他のエンターテイメント施設を含む複合施設を指し、セガサミーはこれらの施設にスロットマシンを提供しています。
またセガサミーは、IR事業における自社の技術とカジノ運営ノウハウを活用し、事業拡大を目指しています。現在は主にアジア地域でIRの開発と運営に関わっていますが、将来的には日本でのIR事業への貢献も計画しています。
以下では、セガサミーとIRの関係を都市別に詳しく解説します。
韓国
セガサミーは、2017年4月に開業した韓国初のIR施設のパラダイスシティカジノを通じて、初のIR事業に参画を果たしました。
韓国は、日本からもアクセスが良く、週末に気軽に行ける海外旅行先として、数十年にわたり日本人旅行者から、人気を集めています。また、パラダイスシティの近くに最近オープンしたインスパイアカジノが話題になるなど、韓国は旅行者にとって魅力的な行き先です。
実は、パラダイスシティカジノの利用客の多くも日本人旅行者であることから、セガサミーは日本市場の担当として、韓国でのIR運営に一役を買っています。
セガサミーは、カジノ経験が少ない日本人向けに、日本人スタッフによって企画されたカジノ初心者講座や、ゲーム大会などのイベントを開催するなど、日本人に親しみやすいカジノ体験を提供することを、目指しています。
インターネット上では、韓国のカジノから撤退するという噂もありますが、事実としてはセガサミーは開業当初から現在に至るまで、精力的にIR運営に携わっています。
大阪
セガサミーは日本の統合型リゾート事業に強い関心を持ち、大阪IRへの積極的な参加を推進しており、そのカジノ関連株も注目を集めています。
日本ではIR実施法が成立した結果、大阪IRと長崎IRが当初カジノ候補地として名前が挙がっていましたが、現在は大阪IRのみが正式に認定されています。そのため、セガサミーもこのプロジェクトに熱心に取り組んでいます。
将来性のあるこの計画において、セガサミーは国際的なカジノオペレーターと肩を並べ、日本市場におけるカジノ運営において、その高度な技術力や豊富な運営ノウハウを生かした、ビジネスプランを展開しています。これは、日本のIR計画を推進する上で重要なステップであり、セガサミーにとってもカジノ運営経験を存分に活かすチャンスです。
さらには、日本を代表するエンターテイメント企業として、大阪でのIR事業を一緒に盛り上げていくとともに、社会への貢献を調和させる使命を果たす、目的も持っています。
セガサミーの作る海外カジノスロットゲーム
セガサミーは、遊戯機器事業の一環として、海外のカジノ市場向けにスロットマシンを提供し、人気を集めています。
日本の最先端技術とセガのブランド力を背景に、これらのスロットマシンは、高いクオリティと革新性で知られ、世界中のカジノにおいて高い需要があります。
セガサミーの作る海外カジノスロットは、その革新性と高いエンターテインメント性で、カジノの楽しさを新たなレベルへと引き上げています。
セガサミーの作る海外カジノスロットの人気の理由は、以下の通りです。
- 最先端技術の採用
- 革新的なデザイン
- 没入感のあるゲームプレイ
- オリジナル性の高いゲームテーマ
また、人気の海外カジノスロットには以下が代表的です。
画像出典: SEGA Sammy CREATION公式HP
“https://www.segasammycreation.com/en/news/detail/32”
Genesis Slant(ジェネシスラント)では、ユーザーフレンドリーなインターフェースと魅力的なゲームが楽しめます。32インチのフルHDモニターを備え、立体的なサウンドを提供する、カスタムボックススピーカーが特徴です。
Genesis Star(ジェネシススター)はジェネシススランの後続機で、革新的なLEDライトと洗練されたデザインが特徴です。ボーナスゲームや、大当たり時にゲームステージと同期するカラフルなライティングで、プレーヤーの興奮を、最大限に引き出します。
Pride of Lions(プライドオブライオン)はマカオのカジノで設置され、カジノ客に絶大な人気を誇る機種です。独特なLED照明と、ボタン振動システムを搭載したスロットが特徴です。
Lucky Dolphin(ラッキードルフィン)は、海の生物キャラクターをテーマにした楽しい雰囲気が特徴の機種です。プライドオブライオンと同様に、ゲームショウ出展時にも人気を集めました。今後はマカオだけでなく、シンガポールのカジノやベトナムのカジノなど東南アジアのカジノでも、広く展開される予定です。
また、今後ギャンブル合法化により開業が期待される、タイのカジノや台湾のカジノでも目にする機会があるかもしれません。
また、2024年夏には、セガサミーが世界初のゲーミングパチスロ4機種を、世界に先駆けて韓国のパラダイスシティカジノに導入しました。
画像出典: SEGA Sammy GROUP公式HP
“https://www.sammy.co.jp/japanese/products/smy_videoslot/”
ディスクアップ、コードギアス 反逆のルルーシュ、頭文字D、アラジンなど人気のパチスロがカジノでも楽しめることから、日本人観光客がますますパラダイスシティに足を運ぶことが期待されます。
世界のカジノで注目されるセガサミーの技術力
セガサミーは、世界のカジノ業界において、その革新的な技術力で高い評価を受けています。
特に、セガサミーが開発したカジノゲーム機器は、世界のカジノ市場でその高品質な映像とサウンド、ユーザー体験の良さで知られています。セガサミーのカジノ機器は、世界のカジノを訪れるプレーヤーに新しいゲーム体験を提供し、業界における日本の技術力を示すものです。
ラスベガスで開催される世界のカジノ業界の最大級の見本市の「Global Gaming Expo」やアジア地域で開催される「MGS Entertainment Show」に積極的に参加するセガサミーは、日本のゲーミングメーカーのKonamiやナツメアタリと同様に、世界のカジノ市場での影響力を確実に強めています。
これらの展示会でセガサミーは、最新のスロットマシンやテーブルゲーム等を展示し、世界のカジノ業界における技術革新と創造性をアピールしています。セガサミーの技術力が活きた最新カジノ機器は、世界でも注目を集めています。
特に、韓国、マカオ、そしてフィリピンのカジノをはじめとしたアジア圏のカジノマーケットは、日本人観光客の目につきやすいので、今後セガサミーの存在が日本人にも認知されやすくなるでしょう。
世界のカジノを訪れる際には、セガサミーのスロットゲームを体験することをおすすめします。その技術力と創造性を実感できるでしょう。
まとめ
日本を代表するエンターテイメント企業であるセガサミーの成功は、単に技術力の高さだけにあるわけではありません。
国内市場に対する深い洞察力、戦略的なアプローチ、そして国際市場の要求に対する熱心な応答が、競争の激しいゲーム業界での売り上げ増加に、大きく貢献しています。
また、米国のゲーム企業を買収し、オンラインカジノ市場に本格的に参入したことは、セガサミーにとっても新たな挑戦であり、展望に期待できます。
この動きは、セガサミーにとってもオンラインカジノ市場にとっても、さらなる成長を遂げる可能性を秘めています。
セガサミーは、これからもその革新性と柔軟性を活かし、国内外の市場で新たな価値を創造し続けることでしょう。
セガサミーのゲームへの情熱を秘めた海外カジノ事業への新たな挑戦、今後の動向にも注目です。
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