更新日:2024-09-10
大阪IR(カジノ)とは?
大阪IR(カジノ)とは、2030年秋の開業を目指す、日本初のカジノを含む統合型リゾート計画のことです。
大阪市内に建設される統合型リゾートには、カジノの他、高級ホテル、国際会議場、展示場、ショッピングモール、レストランなどが併設される予定です。
大阪IRの開業がもたらす経済波及効果は約1兆9,100億円に上ると見込まれ、地域経済の活性化はもちろん、国内外の観光業における大きな飛躍が期待されています。
そんな大阪IRですが、2023年に日本で初めてカジノ候補地として正式認定され、具体的なカジノ建設計画が進行中です。
日本初のカジノ解禁に伴い、ついにバカラ、ブラックジャック、スロットなどのカジノゲームを実際にプレイできる日が近づいています。
本記事では、迫る大阪IRの開業に向けたカジノの建設計画や最新情報、今後の展望について詳しく解説していきます。
大阪IR計画と夢洲地区でのカジノ完成予定の最新情報
大阪IRの施設計画地は、ベイエリアに位置する人工島「夢洲(ゆめしま)地区」に決定しており、現在カジノ完成に向けた具体的な予定が進行中です。
このプロジェクトにより、日本初のカジノが大阪に誕生することが確実であり、大きな期待と興奮が高まっています。
大阪夢洲地区で進む、IR計画の進行状況、カジノ完成予定時期、実現する可能性や最新情報について、以下で詳しく説明します。
大阪IR計画、夢洲に新たなランドマーク誕生
大阪IR計画では、大阪湾に位置する人工島である夢洲がIRの建設地に選ばれ、カジノ、ホテル、国際展示場、会議場、ショッピングモール、映画館、テーマパークなどの施設が計画され、大阪に新たなランドマークが誕生します。
大阪IRの面積は、東京ドーム約10個分とされる約492,000平方メートルの規模を誇り、初期投資額は、推定約1兆800億円に上ります。
大阪IR内のカジノは、全体のわずか3%以下の面積を占めながらも、予想年間売上の約80%、つまり約5,200億円を生み出すと見込まれています。
さらに現在、2025年大阪万博開催に向けた夢洲のインフラ整備が進展中で、大阪IRが新ランドマークとしてどう影響するか、注目されています。
大阪IR構想計画とカジノの費用対効果
大阪夢洲地区で進行中のIR施設構想計画は、着実に前進しており、施設は以下の4つのテーマに基づくゾーンで構成されます。
- 関西ゲートウェイ
- 結びの庭
- イノベーション
- ウォーターフロント
豪華ホテルなど宿泊施設に加え、劇場などのエンタメ施設を含む「関西ゲートウェイ」は、大阪カジノの核となるゾーンです。
一方、「イノベーション」ゾーンには国際展示場や会議場などのMICE施設が設置され、「ウォーターフロント」には関西アート&カルチャーミュージアムが予定され「結びの庭」は、各ゾーンを結ぶオープンスペースとしての役割を果たします。
大阪IR構想計画とカジノへ期待される費用対効果は、以下の通りです。
初期投資 | 1兆2,700億円 |
---|---|
IR区域全体の敷地面積 | 770,000平方メートル |
カジノの施設面積 | 65,166平方メートル |
年間売上 | 約5,200億円(内カジノ事業約4,200億円) |
年間来場者数 | 約2,000万人(内インバウンド約600万人) |
雇用者数 | 約15,000人 |
事業期間 | 35年(最大30年の延長申請可能) |
これらの数字が示すように、大阪IR構想計画の規模は非常に大きく、特にカジノ施設に対する初期投資額と、それに見合う高い費用対効果が期待されています。
大阪IR構想計画の進行状況に関しては、2023年12月4日に夢洲での液状化対策工事が始まり、その完成後は本格的な施設建設に移行する予定です。
これはプロジェクトの重要なステップであり、大規模なIR施設の建設に向けた重要な進展と言えます。
大阪IRのカジノはいつ、どうなる?2030年までの実現の可能性
大阪IRの開業計画は、カジノ法案(IR整備法)の成立時から随時見直しが行われ、その都度実現の可能性が審議されてきました。
実際に、大阪にカジノが完成するのはいつ?どうなる?との声も多く、その具体的な計画や事業内容にも注目が集まっています。
年度 | 出来事 |
---|---|
2018年 | カジノ法案成立。大阪IRの計画がスタート。 |
2022年 | 当初は2022年の東京オリンピックに合わせた開業を目指す。 |
2019年 | 国会議員の汚職事件や、パンデミックが影響し、開業時期が変更。 |
2023年 | 開業時期が2029年冬頃から2030年秋頃に変更の発表。 |
大阪市の横山英幸市長によれば、工事は順調に進行中ですが、2030年までの大阪IRの実現には、2024年と2025年が重要なターニングポイントです。
なぜなら、施設の着工は遅くとも2025年春までに必要であり、2024年秋には大阪万博の工事がピークに達するためです。
これにより、工事車両の交通整理にトラブルが発生すれば、液状化対策工事や万博の進行に影響が及ぶ可能性があるため、工事は急ピッチで進められています。
同時に、大阪IRにおけるカジノ事業のライセンス発行手続きやソフト面の進捗も注視され、2030年までの実現可能性への関心が高まっています。
大阪IRが事業撤退の権利を放棄へ
2024年9月7日、大阪府市は、運営事業者「大阪IR株式会社」が違約金なしで撤退できる権利を放棄する方針を固めました。
今後の予定として、2024年9月末には準備工事に着手し、令和12年(2030年)秋の大阪IR開業がほぼ確実になりました。
大阪IRが権利を放棄することで、事業を継続する意欲を明確に示す狙いがあります。
当初、大阪IRには観光需要の回復が見込めない場合などに違約金なしで撤退できる「解除権」が付与されており、この権利は令和8年9月まで行使可能でした。
初期投資額は約1兆2700億円と見込まれており、今後の順調な開業が期待されています。
大阪IRとカジノ運営会社情報
大阪カジノにおけるIRの運営会社「大阪IR株式会社」は、2021年12月23日に設立されました。
大阪IR株式会社は国内企業のみならず、外資企業も参画に加わる会社で、主な事業内容の目的はカジノを含む「特定複合観光施設の設置運営事業」に置かれています。
以下では大阪IRの運営会社情報として、カジノ運営大手の外資「MGMリゾーツ」、そしてエリアを熟知する日本企業「オリックス」について詳しく説明します。
カジノ運営大手の外資、MGMリゾーツが大阪IRに参画
大阪IR株式会社の主要株主である「MGMリゾーツ」は、世界的なカジノ運営大手の外資企業で、ラスベガスやマカオのカジノなどでIRを運営し、タイのカジノ解禁に向けての投資にも、前向きな姿勢を見せています。
MGMリゾーツは既に世界的に有名なIRを運営しており、2014年に「日本MGMリゾーツ」として日本法人を設立し、大阪IRへの参画を果たしました。
大阪IR計画では、関西地域の持続的な経済成長を支え、世界最高水準の成長型IRを実現するために、公民が連携する取り組みを目指しています。
具体的には、大阪IRは世界を魅了するワンストップの目的地として計画されています。MGMが参画することで、大阪IR内にはカジノ以外にも、様々な文化的、エンターテイメント施設が設置され、世界水準のオールインワンMICE拠点が誕生する予定です。
以下は、MGMリゾーツが計画する大阪IRの主要施設です。
施設 | 詳細 |
---|---|
国際会議場および展示場 | 世界中から注目を集めるイベントを誘致 |
バスターミナル、フェリーターミナル | スムーズなアクセスで利便性を向上 |
宿泊施設 | 約2,500室の3つのホテル(MGM大阪、MGM大阪ヴィラ、MUSUBIホテル) |
カジノ施設 | 非日常のエンターテイメント空間を提供 |
夢洲シアター | 約3,500席の劇場で、多彩な公演を開催 |
飲食・物販・サービス施設 | 充実した設備で快適な滞在を実現 |
MGMリゾーツによる大阪IRは、高水準のサービスで世界中の人々を惹きつけるエンターテイメント都市を目指しています。
エリアを熟知する日本企業、オリックスが大阪IRをサポート
大阪IR株式会社を構成し、大阪IRをサポートするもう1つの主要企業が、エリアを熟知する日本企業「オリックス株式会社」です。
カジノ関連株も人気の高いオリックス株式会社は、大阪府と東京都に本社を置く、日本の大手総合金融サービス企業です。設立当初はリース業からスタートし、現在は不動産、銀行業務、クレジットサービス、事業投資、環境エネルギー投資など、幅広い分野で事業を展開しています。また、プロ野球チーム「オリックス・バファローズ」の運営も行っており、多岐にわたる事業活動を行っています。
ではどうしてオリックスがMGMリゾーツとタッグを組み、大阪IR株式会社を設立したのでしょうか?
オリックスが大阪IRプロジェクトに適した運営パートナーとされる理由は、同社の地域特性に基づく運営戦略にあります。オリックスは大阪市に本社を置き、地域住民と密接に関わる多様な事業を通じて、地域に深く根差した貢献に努めています。
さたに、十分な資金力を有するオリックスは、大阪IRプロジェクトの成功に必要な支援を提供するのに理想的な企業です。
このように、オリックス株式会社のように大阪エリアを熟知する企業の参画は、大阪IRプロジェクトの成功において、大きな役割を果たすでしょう。
大阪IR運営会社、プッシュゲーミング買収の新着情報
大阪IRの運営元である米国のカジノ運営大手MGMリゾーツインターナショナルの傘下にあるレオベガスグループが、マルタ共和国を拠点とするゲーム開発企業で知られるプッシュゲーミングを、2023年9月に買収したことが発表されました。
レオベガスはオンラインカジノのオペレーターとして知られていますが、この買収が大阪カジノにどのような影響を与えるのか、以下で詳細を説明します。
プッシュゲーミングが与える大阪IRへの影響
ロンドンとマルタに拠点を構えるプッシュゲーミングは、オンラインカジノ向けのゲームを開発するゲームプロバイダーです。
その評判の高いゲームコンテンツは広く知られており、今回の買収により、レオベガスはゲーム制作能力を強化する機会を手にしました。
MGMが大阪IRの運営に関わっていることから、大阪カジノで提供されるスロットマシンなどのゲーム開発にもプッシュゲーミングの影響が期待され、業界内で大きな注目を集めています。
大阪IRのカジノで期待されるスロットゲーム
プッシュゲーミングは、独自のボーナスラウンド、美しいグラフィックス、そして迫力のあるサウンドで知られるスロットを数多くリリースし、プレーヤーから人気があります。
現時点では、大阪カジノで提供されるゲームはまだ発表されていませんが、プッシュゲーミングのスロットが導入されれば、多くのカジノファンを惹きつけ、国内カジノの活性化につながるかもしれません。
大阪IRの大阪市民からのカジノ反対による撤退の噂
大阪カジノ計画は決してスムーズに進んだわけではなく、様々な理由から市民による大阪カジノ反対の声が上がり、一時期はIR撤退の噂まで広まりました。
2022年の春、大阪府内全域に渡って大規模な大阪カジノ反対運動が起こりました。有力な候補地だった横浜や和歌山、千葉などの自治体が市民の反対で、誘致を断念した事実があったため、大阪カジノも徹底の方向へ傾くのではないかと噂され、懸念が広がりました。
さらに2023年には基本協定書の撤退期限延長、事業の工程・開業時期の再調整などが報道され、後戻りできなくなる前に撤退するべきだという声が多数上がりました。
2024年現時点では、大阪カジノ計画のIR撤退はあくまでも噂であり、事実ではありませんが、市民の理解と支持を得るためには、大阪府がIR計画全体の透明性を高めることが不可欠です。さらに、賭博依存症対策やカジノ内の違法行為への厳しい対応も求められています。
これらの問題に対して大阪府がどのように取り組むかは、大阪IR計画の成功に直結する重要な要素となるでしょう。
大阪IRとカジノ開業による経済効果
大阪カジノ開業とIRがもたらす経済効果は著しく、以下の表で示される通り、その影響は大きく期待されています。
項目 | 金額 |
---|---|
年間経済効果 | 約1兆1,400億円 |
雇用創出効果 | 約9.3万人 |
自治体への収入 | 年間約1,060億円 |
これらの数字は、他国でのIR運営実績や、日本初のカジノという事実を踏まえれば、現実的な見積もりと言えます。
自治体にこれだけの収入が入ることにより、ギャンブル依存症対策、警察・消防の強化、観光や地域経済の活性化、文化芸術の振興、子育て・教育支援など、多岐にわたる地域政策の充実が可能です。
大阪カジノとIRの開業は、広範囲に渡り国全体、特に自治体にとって救世主的な存在となる可能性が高いでしょう。
大阪IR事業と大阪万博を大阪府が統合展開
大阪IRと大阪万博は、共に夢洲地区での開催を予定しているため、大阪府はこれらの事業を統合して展開する計画を進めています。
IR事業と万博の成功には、インフラ整備の強化が不可欠で、この統合展開の核となる役割を果たします。
- 上下水道
- 鉄道&幹線道路
- 夢洲駅や水上交通の展開
- 新しい地下鉄やバス路線の開設
- 交通機関の増便
- 高速バスやリムジンバスの乗り入れ
- タクシー乗り場の設置
- 多言語対応の案内表示
- バリアフリー設備の充実
大阪府と市が共同で費用の1/3を負担し、これらの整備が大阪IRと万博の訪問者の利便性と快適性を大幅に向上させるでしょう。
大阪IRのカジノと賭博依存症問題への取り組み
大阪でのカジノ開業に伴い、賭博依存症(ギャンブル依存症)問題への対応が重要な懸念事項とされています。
日本ではすでにパチンコ・パチスロ、競馬、競艇などによる、賭博依存症が問題視されており、WHOもこれを正式な病気と認識しています。
この問題に対処するため、大阪府では「ギャンブル等依存症対策基本条例」を制定し、IR開業に合わせて「大阪依存症センター(仮称)」の設置を計画しています。このセンターは、賭博依存症への、総合的な支援体制の強化と拡充が目的です。
また、カジノ事業者には、最先端のICT技術を用いた厳格な入退場管理を実施することが求められ、カジノには24時間365日利用可能な相談施設の設置も計画されています。
さらに、視覚的監視とICT技術を組み合わせた問題行動の早期発見、賭け金額と滞在時間の上限設定(自己申告制)なども、賭博依存症問題への対策として検討されています。
また、自民党とカジノ法案は、賭博依存症などの問題に対処するための対策を練っています。
このように大阪IRでは、カジノ開業に向けて賭博依存症問題への取り組みは積極的に行われており、成功にはこれらの対策の実施が不可欠です。
まとめ
本記事では、日本で初となるカジノ施設「大阪IR」の建設計画と将来展望について解説しました。
大阪IRの開業は、施設周辺のみならず日本全国に莫大な経済効果をもたらす世紀の大プロジェクトで、地域経済の顕著な発展と確実な雇用創出が期待されます。
また、万博との連携により、地域インフラが大幅に強化され、大阪は国際的な観光地へと変貌します。カジノでの賭博依存症の問題はありますが、大阪IRにおける対策は徹底しており、施設の潜在的なポテンシャルは想像を超えるものがあります。
大阪IRは、世界的に成功しているシンガポールのカジノや韓国のカジノモデルを参考にし、長崎IRのような見送られたプロジェクトからの教訓を取り入れることで、更なる進化が期待されています。
最近では、韓国のインスパイアカジノの開業をはじめ、インドのカジノをはじめ、ドバイのカジノやエジプトのカジノなど中東地域でも開発が進むなど、世界各地でIR施設が注目されています。
2030年に開業予定の大阪のカジノは、日本初のIR計画として、観光産業と経済に新たな光をもたらすことでしょう。