マカオのカジノ、パンデミック後最多の月間収益を記録

更新日：2023-11-15

マカオカジノの復活、パンデミック後の収益回復

マカオのカジノ業界が、パンデミック後の収益回復を遂げています。

2023年10月6日、中国全土で大型連休となる国慶節ゴールデンウィーク期間中には、多くの中国人観光客が、マカオの街を訪れました。

観光客の流入の恩恵を受けたことが影響し、マカオのカジノ収益は、24億ドルを突破しました。

10月のこの収益は、マカオでカジノ運営免許を持つ6社による、2020年1月の27億5000万ドル以来の、最高月間収益を達成しました。

これは、中国政府による「ゼロコロナ」政策の終了後、マカオのパンデミックからの、回復が始まったことを示しています。

2023年10月までのマカオのカジノ総収益(GGR)は184億ドルに達し、前年比で316％増加しています。

2023年のカジノ収益も、2021年と2020年の同じ期間と比較して、それぞれ106％、224％の増加を記録し、マカオカジノの10月の成績は、業界の好調な動きを示しています。

これを背景に、中国のゲーミングアナリストは、市場レベルが、コロナ禍前の水準に戻ったとの、見解を示しています。

また、金融大手、シティグループなどのアナリストは、10月のGGRが、190億マカオパタカ(約236億ドル)に達すると予測しました。

画像出典：iGAMING twits 公式twitter

“https://twitter.com/igaming_twits/status/1717895170409328870/photo/1”

マカオのカジノは第二のベガスとなるか

マカオ特別行政区政府は、2024年通年の総カジノ収益(GGR)見通しについて、約268億ドルと予想しました。

この見通しは、2013年のマカオのカジノが過去最高の450億ドルを獲得したことから、市場の流れを読んだものとされています。

最近、マカオの多くの政府関係者や経営幹部は、単なるギャンブル業界にとどまらず、より多様な観光業への進出の必要性を、指摘しています。

これは、中国政府の指導の下で進行中の政策であり、マカオをアジア版ラスベガスへと変貌させようとする試みと、解釈されています。

しかし、マカオがラスベガスのようになる可能性について、iGaming業界の専門コンサルタント会社「アイゲーミックス」の創業者ベン・リー氏は、懐疑的な見解を示しています。

リー氏は、「ラスベガスは独特な構造を有し、アメリカ国内の他の場所でもその成功を再現するのは困難です。これまでマカオ、シンガポール、マニラが、東洋のラスベガスとして注目されてきましたが、20年が経過しても、いずれの都市もラスベガスに追いついていません。」と語っています。

また、リー氏は、次なる注目地点としてタイを挙げ、タイでのカジノ解禁の可能性に、ポジティブに言及しています。

このように、マカオがラスベガスに追いつくためには、ただ真似をするだけでなく、マカオの地域や独自の文化の強みを活かした戦略が、必要とされます。

そして今後、アジアにおけるエンターテイメントの中心地として、確固たる地位を確立することが、成功の鍵となるでしょう。

マカオカジノの新たな挑戦と課題

マカオのカジノの歴史を辿ると、1999年の中国返還後、マカオのカジノ市場は、国際企業に開放され、MGMチャイナ、ラスベガスサンズ、ウィンリゾーツなど、業界大手の有名企業が、多数進出しました。

その後、2000年代半ばまでに、マカオは世界最大のギャンブル地へと成長し、マカオ政府と中国政府は、ギャンブル以外の経済の、多角化を進める方針を、打ち出しました。

MGMチャイナの社長兼COO、Hubert Wang氏は、「マカオの市場環境に合わせ、成長を促進するために規制が変わってきた」と、マカオの市場成長に伴う、規制の進化を強調しています。

このことからも、今後、マカオのカジノ業界が新たな方向へ成長するためには、規制の緩和が鍵となるでしょう。

しかし、中国政府が、マカオのギャンブル産業を、中国本土への拡大を認めるかどうかは、依然として不確かな状況です。

マカオを、多様性のある目的地として観光業を成功させるためには、単にアジア版ラスベガスを作るだけでなく、アジア地域全体の異なる嗜好や文化的違いを、考慮することが重要です。

現段階では、カジノ業界の要求と、マカオの文化的嗜好を考慮すると、マカオがアジアの新しいラスベガスになる可能性は、低いかもしれません。

しかし、マカオには、人々を引きつけるための、複数の方法を確保しようという、真の意欲が見られます。

マカオが次に取るべきステップは、地元経済に悪影響を与えず、ギャンブル中心から、エンターテインメント中心への、シフトです。

シンガポールが、IR(統合型リゾート)の開発で成功を収めたように、マカオも新たな舵取りが期待されています。

今後、マカオのカジノが、アジアのエンターテイメントの中心地として、どのように成長を遂げるか、注目が集まっています。

まとめ

マカオのカジノ業界は、単にギャンブルを提供するだけでなく、変化と成長を追求しています。

新しい時代に向けてのカジノ業界の成長は、規制適応と市場ニーズへの対応が求められています。

これは、今後マカオが、ラスベガスのように成功を収めるための、重要なステップです。

マカオは、その文化的魅力と、多様なエンターテインメントを組み合わせることで、アジアはもちろん、世界中で新たな役割を果たすことが、期待されています。

日本人旅行者にとっても、人気の旅行先の一つである、マカオのカジノは、これらの変化と進化が、注目されています。

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