

更新日:2025年01月17日
ゲーミング事業総覧編集部では、2024年上半期(4月〜9月)にかけて、世界の主要証券取引所に上場するゲーミング関連銘柄の株価推移を調査・比較分析してきました。
「ゲーミング事業関連主要株価分析レポート」では、世界の証券取引所別に区分けし、株価が高い銘柄を主要銘柄として、定期的に調査結果のレポート公開をしています。
調査の目的、及び事前調査の方法等に関しては、親記事に掲載中のため、適宜リンク先からご確認をお願いします。
今回のレポートでは、2024年4月から9月の上半期にわたって実施した調査結果を総括し、その中でも注目銘柄をピックアップしています。
調査対象の、各証券取引所の主要ゲーミング関連の主要銘柄は以下の通りです。
証券取引所 | 銘柄 |
---|---|
NY証券取引所 | Bally’s Corp |
NASDAQ | Churchill Downs, Inc. |
北欧ナスダック | Evolution AB (EVO) |
ロンドン証券取引所 | Keywords Studios PLC |
香港証券取引所 | MGM China Holdings Ltd |
2024年上半期の主要ゲーミング関連銘柄の株価推移を分析した結果、以下のような動向が見られました。
まず、Bally’s Corpは、この半年で26.26%の上昇を記録し、安定した株価成長を維持しています。これは、同社の統合型リゾートの開発や、オンラインカジノ事業における、デジタルプラットフォームを活用したゲーミング戦略が評価された結果です。
次に、Churchill Downs, Inc.も9.93%の増加を見せ、米国市場での安定した競馬・ゲーミング事業の展開がその成長を支えています。
一方、Evolution AB (publ)は24.19%の大幅な下落を示しており、市場の短期的なボラティリティや、北欧地域におけるゲーミング規制の影響が主な要因と考えられます。
また、Keywords Studios PLCは99.35%という非常に大きな上昇を見せており、Brexit後に始まった、英国市場でのゲーム開発支援サービスの需要拡大がその背景にあります。
最後に、「MGM China Holdings Ltd」は、上半期では10.43%の下落を示しましたが、9月の1ヶ月間では、25.00%という大幅な上昇を記録しています。
この上昇の背景には、中国政府による経済刺激策への期待や観光客数の回復があります。
特に、観光業の復調に伴いマカオのカジノ市場が回復し、それが投資家の期待を高め、株価の急上昇に大きく寄与したと考えられます。
このように、2024年上半期を総括すると、Bally’s CorpやKeywords Studiosの成長が顕著である一方で、Evolution ABやMGM China Holdingsは規制や観光業の停滞による影響を受けています。
今後も、外部要因が株価に与える影響について注視する必要があるでしょう。
(グラフソース:Google Finance)
以降では、当レポートの調査対象である、各証券取引所の主要ゲーミング関連について、銘柄別の株価推移を、2024年上半期の推移グラフを掲載します。
Bally’s Corpの2024年上半期の推移データは、以下の通りです。
2024年上半期の4月は約$13.76から始まり、9月には$17.31まで上昇しました。
この半年間で見ると、約25.71%の大幅な上昇が確認され、全体として強い成長傾向が続いています。
また、同社はゲーミング事業に加え、統合型リゾートの開発にも注力しており、米国IR市場において重要な役割を果たしています。
安定した経営基盤を背景に、株価にもポジティブな影響を与えていると考えられます。
※通貨単位: USD(米ドル)
(グラフソース:Google Finance)
Churchill Downs, Inc.の2024年上半期の推移データは、以下の通りです。
2024年上半期の4月は約$123.87で始まり、半年の期間を経て9月末には、135.93ドルまで上昇しました。
このように、6ヶ月のスパンでは9.74%の上昇を見せており、特に7月から9月にかけての安定した成長が注目されます。
Churchill Downs, Inc.のこの6ヶ月間の上昇は、競馬関連のエンターテインメント事業の強さに加え、カジノおよびゲーミング事業の成長がポジティブな影響を与えたと考えられます。
※通貨単位: USD(米ドル)
(グラフソース:Google Finance)
Evolution AB (EVO)の2024年上半期の推移データは、以下の通りです。
2024年上半期の4月の株価はkr 1,300近くで始まり、その後徐々に下落しました。
その後、9月末までの半年での下落率は、22.66% に達しており、全体的に低迷しています。
この大幅な下落の要因として、北欧地域でのゲーミング規制強化が挙げられます。
特にスウェーデンやフィンランドでは、iGamingに対する新たな規制やライセンス制度が導入され、業界全体の収益に影響を与えています。
同社も規制の影響を受け、株価に反映されていますが、ライブカジノを始めとするゲーム開発支援や技術サービスの需要は依然高く、規制が落ち着けば回復の可能性も期待できるでしょう。
※通貨単位: DKK(デンマーククローネ)
(グラフソース:Google Finance)
Keywords Studios PLCの2024年上半期の推移データは、以下の通りです。
2024年上半期の4月の株価は約1,246.00 GBXで始まり、9月末には2,436.00 GBXまで大幅に上昇しました。
この6ヶ月間で上昇率は95.51%に達し、特に2024年4月以降に急速な株価上昇が見られました。
Brexit後の英国は、特にテクノロジーやデジタル産業への規制緩和や投資促進策を進めており、投資家の信頼を回復するための環境が整えられています。
Keywords Studiosのようなゲーミング関連企業もこのポジティブな影響を受け、業界全体が経済成長に貢献していると言えるでしょう。
※通貨単位: 通貨単位: GBP(英ポンド)
(グラフソース:Google Finance)
MGM China Holdings Ltdの2024年上半期の推移データは、以下の通りです。
2024年上半期の4月の株価は13.56香港ドルで始まり、その後は下落傾向が続きました。
5月から9月中旬にかけて、物価は低迷していたものの、9月下旬にかけて急上昇し、最終的には13.20香港ドルに達しました。
6ヶ月間のスパンでは、約2.65%の減少を示しており、全体としては回復基調にあるものの、依然としてボラティリティが高い状況です。
MGM China Holdings Ltdは、マカオのカジノ事業を主軸に展開しており、最近の株価上昇の背景には、中国本土からの観光客数が回復しつつあり、中国政府による経済刺激策への期待が影響していると考えられます。
※通貨単位: HKD(香港ドル)
(グラフソース:Google Finance)
2024年上半期を振り返ると、ゲーミング関連銘柄は、世界の主要証券取引所で地域や市場ごとに異なる動きを見せていますが、全体的には安定または成長傾向にある企業が多く見られます。
特に、パンデミック後の回復とともに、観光業やエンターテイメント市場の需要の回復が、多くのゲーミング関連企業の株価を押し上げています。
また、北欧やフィリピンのカジノ業界では規制強化が進んでいる一方で、大阪IRやシンガポールのカジノ市場では、経済刺激策や新たなリゾート開発が進行中です。
さらに、ドバイのカジノやタイのカジノに関しては開業前でありつつも、大規模なリゾートプロジェクトへの投資が引き続き注目されています。
これにより、投資家にとっては、地域ごとに異なるチャンスが広がっている市場と言えるでしょう。
対象銘柄の2024年上半期の期間6ヶ月を振り返ると、市場全体では不安定さが見られましたが、いくつかの銘柄で顕著な動きがありました。
Keywords Studios PLCは95.51%の大幅な上昇を示し、成長と安定性を証明しました。
一方、Evolution ABは22.66%の下落を記録し、夏頃には大幅な下落が目立ちました。MGM China Holdings Ltdもこの期間に2.65%下落しましたが、9月には急速に回復を見せています。
このように、6ヶ月間では市場のボラティリティが目立ち、各企業の適応力が成長に大きな影響を与えると考えられます。
2024年下半期以降の今後の投資判断では、短期的な株価変動に加え、企業の長期的ビジョンや規制対応力がキーポイントです。
さらに、市場全体のトレンドと企業の実績を総合的に把握することで、リスクを抑えつつ新たな投資機会を見出せるでしょう。
ゲーミング事業総覧では、今後も定期的に「ゲーミング事業関連主要株価分析レポート」を発表し、投資家の戦略的判断を支援していきます。
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小山道也
カジマル編集長担当、オンカジ業界専門家
オンカジ業界経験10年超。コンサルタントとして就業した後に、欧州でビジネス修士号を取得。そして、海外マーケテシング企業にて、オンラインカジノのメディア立ち上げに携わり、今に至る。 論理思考や分析思考をもとに、入金不要ボーナスをさまざまな観点で解析し、読者に分かりやすく解説するのが得意。独自のレーダーチャートは、その他メディアでも参考にされ業界の標準化にも貢献した。当メディアの運営以外では、オンカジサイト立ち上げ時の外部アドバイザーとしても活動している。
西尾昇
コンテンツ制作担当
ディーラーとしてゲーミング業界に携わる。その後、表舞台からは身を引き、コンテンツ制作に回り、ルーレットやバカラのゲーム解説や攻略記事をはじめ、オンカジ比較評価記事やボーナスの解説コンテンツの制作に従事。業界での人脈が広く、各社のキーパーソンと繋がっているので裏情報にも精通。カジマル.comでは、業界の隅々を分かりやすく解説し定評を得る。エディトリアルメンバーの中ではエキスパートとして立ち回っている。