更新日:2025年01月17日
ゲーミング事業総覧編集部にて、2024年5月のNASDAQに上場している主要ゲーミング関連銘柄の株価推移について、分析しました。
「ゲーミング事業関連主要株価分析レポート」では、証券取引所別に区分けし、株価が高い銘柄を主要銘柄として、調査結果レポート公開しています。調査の目的、及び事前調査の方法等に関しては、親記事に掲載しておりますので、適宜リンク先からご確認をお願いします。
当レポートでは、2024年5月のNASDAQの主要ゲーミング関連銘柄の株価推移の分析レポートを公開します。
調査対象であるNASDAQ証券取引所の主要ゲーミング関連銘柄は以下の通りです。
2024年5月のNASDAQの主要ゲーミング関連銘柄の株価推移を分析した結果、「Churchill Downs, Inc.」、「Light & Wonder Inc.」、「Gaming and Leisure Properties Inc.」は上昇傾向、そして、その他4銘柄は下降傾向にあることがわかりました。
上昇傾向にある3銘柄の平均上昇率は、約4.19%で、当該分析期間の中で最大の成長率を記録したのは、競馬やオンラインカジノ事業などを幅広く手掛ける「Churchill Downs, Inc.」の9.09%で、$11.21の値上がりを見せました。上昇傾向の3銘柄のうち、当該分析期間の中で2番目に高い性勝率を見せたのは、「Gaming and Leisure Properties Inc.」で2.42%の株価の値上がりを遂げました。
一方で、下降傾向にある4銘柄の平均低下率は、約6.17%で、上昇傾向にある銘柄の平均成長率の絶対値と比較するとより大きい値であることがわかりました。当該調査対象の7銘柄に限ると、下降傾向の銘柄が過半数でかつ、変化の割合がより高いため、2024年5月のNASDAQの主要ゲーミング関連銘柄は低下傾向が強い期間と読み取れます。
ただし、下降傾向の銘柄である「Caesars Entertainment Inc.」が、低下率15.46%と一際高いことから、カジノ関連株全体の景況を分析する上では、個別銘柄の事業内容や推移など、さらに詳細なリサーチが有効と言えるでしょう。
(グラフソース:Google Finance)
以降では、当レポートの調査対象である、NASDAQの主要ゲーミング関連銘柄について、銘柄別の株価推移を1ヶ月間、及び6ヶ月間の推移グラフを掲載します。
Churchill Downs, Inc.の2024年5月時点での1ヶ月、6ヶ月間の推移データは以下の通りです。
当該1ヶ月間のグラフにおける観測開始時点は、約$123であったのに対して、観測終点では、$135弱と、約$12の値上がりが確認できます。5月9日をピークに$140ほどまでに上がり、僅かに値下がりした後に安定した推移を見せています。
一方で、6ヶ月間スパンのグラフを見ると、昨年2023年11月末時点で$120強で、終点は$135のため$15の値上がりが確認できます。最高値は5月9日であり、直近の値上がりが最高であることがわかります。一方で、3月の時点では、$112まで値下がりし、値動きの浮き沈みが伺えます。今後の値動きを予測する上では、3月の時点の低下の原因を分析すると良いでしょう。
(グラフソース:Google Finance)
Wynn Resorts, Limitedの2024年5月時点での1ヶ月、6ヶ月間の推移データは以下の通りです。
当該1ヶ月間のグラフにおける観測開始時点は、約$97であったのに対して、観測終点では、$94と、約$3の値下がりが確認できます。5月中旬にピーク地点で横ばいになりましたが、緩やかに下降しています。
一方で、6ヶ月間スパンのグラフを見ると、昨年2023年11月末時点で$88強で、終点は$94のため$6の値上がりが確認できます。最高値は4月初旬であり、$105を超えています。1ヶ月スパンでは、下降気味であることが窺える一方で、6ヶ月間スパンでは、緩やかな上昇が確認できます。
(グラフソース:Google Finance)
Light & Wonder Inc.の2024年5月時点での1ヶ月、6ヶ月間の推移データは以下の通りです。
当該1ヶ月間のグラフにおける観測開始時点は、$94弱であったのに対して、観測終点も$94強と、大きな違いがなく僅か1%だけ成長しています。4月下旬に下降するも、5月7日をピークに$98ほどまで上がり、さらに上下を繰り返しています。
6ヶ月間スパンの株価推移に関しては、昨年2023年11月末時点で$87強で、終点は$94のため$7の値上がりが確認できます。最高値は3月末であり、最高で$107弱まで上昇し、大幅な価格上昇があったことがわかります。その後は、$10ほど急な下落を経たものの、再度上昇傾向にあります。
(グラフソース:Google Finance)
Monarch Casino & Resort Inc.の2024年5月時点での1ヶ月、6ヶ月間の推移データは以下の通りです。
当該1ヶ月間のグラフにおける観測開始時点は、約$69であったのに対して、観測終点では$65と、約$4の値下がりが確認できます。4月下旬から5月中旬にかけて横ばいでしたが、その後下降していき、$65の時点で当該観測期間で最安値をマークしています。
6ヶ月間スパンのグラフを確認すると、昨年2023年11月末時点で$64強で、終点は$65のため$1の値上がりが確認できます。最高値は3月終盤で、堅調な上昇傾向の末、$75ほどに到達しています。その後は、下降ののちに、4月に持ち返しの兆しを見せましたが、再度下降し、昨年2023年11月末時点とほぼ同一の価格に着地しています。
(グラフソース:Google Finance)
Gaming and Leisure Properties Inc.の2024年5月時点での1ヶ月、6ヶ月間の推移データは以下の通りです。
当該1ヶ月間のグラフにおける観測開始時点は、約$43.5であったのに対して、観測終点では$44.5と、約$1の微増が伺えます。5月20日に$46.5と観測期間における最高価格に到達し、後に下降するも2.42%の成長を遂げています。
6ヶ月間スパンのグラフについては、昨年2023年11月末時点で$45弱で、終点もほぼ同額です。短期で見ると成長傾向にあることが伺えますが、6ヶ月の間隔で見ると、下降傾向にあることがわかります。一方、見方によっては、4月中盤に底値を経て回復しているとも考えられます。
(グラフソース:Google Finance)
DraftKings Inc.の2024年5月時点での1ヶ月、6ヶ月間の推移データは以下の通りです。
当該1ヶ月間のグラフにおける観測開始時点は、約$41弱であったのに対して、観測終点では$40.5と、約$0.5の値下がりが確認できます。5月中旬がピーク地点で、$46強に到達しています。
一方で、6ヶ月間スパンのグラフを見ると、昨年2023年11月末時点で$38で、終点は$40.5のため$2.5の値上がりが確認できます。2024年を迎えた直後に、最底値$32.5程度まで下降するも、4月初め頃に最高値をマークし、大幅な回復を見せました。その後は、幾度かの上下を繰り返し、レポート制作時ではやや下降気味であることが伺えます。
(グラフソース:Google Finance)
Caesars Entertainment Inc.の2024年5月時点での1ヶ月、6ヶ月間の推移データは以下の通りです。
当該1ヶ月間のグラフにおける観測開始時点は、約$38.5であったのに対して、観測終点では$32.5と、約$6の値下がりが確認できます。さらに、6ヶ月間スパンのグラフを確認すると、昨年2023年11月末時点で$46強で、終点は$32.5のため$14もの値下がりが確認できます。
当レポートの調査対象である、NASDAQの主要ゲーミング関連銘柄の7銘柄のうち、唯一1ヶ月および6ヶ月単位どちらも下降傾向にあるのは、当Caesars Entertainment Inc.の株だけであり、株価を見る限りでは、今後の著しい成長に対する期待は薄いのではないでしょうか。
(グラフソース:Google Finance)
今春は、世界では韓国のインスパイアカジノが新装オープンしたりと、ゲーミング事業の話題に花が咲いた期間だったため、ゲーミング事業の株価に期待する方が多かったのではないでしょうか?
2024年5月のNASDAQの主要ゲーミング関連銘柄の下記7銘柄における株価推移を分析した結果、1ケ月スパンでは3銘柄が上昇傾向、そして、その他4銘柄は、下降傾向にあることがわかりました。1ヶ月スパンでは、やや下降傾向の方が多く、成長を期待した人にとっては予想に反したのではないでしょうか。
ただし、6ケ月スパンで見ると、7銘柄中、2銘柄のみが下降傾向で、その他5銘柄は成長傾向にあることがわかりました。特に、競馬場を多数運営し、ブックメーカーとして知られる「Churchill Downs, Inc.」の成長は群を抜いており、11.5%の成長を遂げています。一方で、「Caesars Entertainment Inc.」においては、成長率マイナス29.37%と大幅な下落を見せており、今後の株価が危ぶむ方も多いでしょう。日本の統合型リゾートが話題のため、ゲーミング事業の株は有望に映るかもしれませんが、NASDAQの主要ゲーミング銘柄においては、銘柄によって株価の上下のトレンドはバラツキがあるため、投資や株価の推測には、個別の銘柄でより詳細な分析が必要です。
今後も、ゲーミング事業総覧では、各証券取引所別に、「ゲーミング事業関連主要株価分析レポート」を発表していきます。
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小山道也
カジマル編集長担当、オンカジ業界専門家
オンカジ業界経験10年超。コンサルタントとして就業した後に、欧州でビジネス修士号を取得。そして、海外マーケテシング企業にて、オンラインカジノのメディア立ち上げに携わり、今に至る。 論理思考や分析思考をもとに、入金不要ボーナスをさまざまな観点で解析し、読者に分かりやすく解説するのが得意。独自のレーダーチャートは、その他メディアでも参考にされ業界の標準化にも貢献した。当メディアの運営以外では、オンカジサイト立ち上げ時の外部アドバイザーとしても活動している。
西尾昇
コンテンツ制作担当
ディーラーとしてゲーミング業界に携わる。その後、表舞台からは身を引き、コンテンツ制作に回り、ルーレットやバカラのゲーム解説や攻略記事をはじめ、オンカジ比較評価記事やボーナスの解説コンテンツの制作に従事。業界での人脈が広く、各社のキーパーソンと繋がっているので裏情報にも精通。カジマル.comでは、業界の隅々を分かりやすく解説し定評を得る。エディトリアルメンバーの中ではエキスパートとして立ち回っている。